【ロンドン・メンズ】 “僕たちの「プラダ」「バーバリー」「トム ブラウン」”を提案したロンドン
「トップショップ」が支援する若手クリエイター3組が競演するランウェイショー「マン」では、3回目のショーとなった「アギ&サム」がユニークだった。
コレクションの“表テーマ”は、伝統的な英国トラッドの現代化らしく、確かにクラシカルな小紋柄や幾何学模様をポップにアレンジしたり、秋冬だからこそなおさら深く沈んだ色合いになりがちなカラーパレットをパステル〜ヴィヴィッドまでの色調に変えてみたり、また時にフリースやダウンベストなどでアウトドアムードをプラスしたり、様々な試みにトライしている。しかし、おそらく、このコレクションの“裏テーマ”は、「26歳のデザインデュオによる、『プラダ』と『バーバリー プローサム』そして『トム ブラウン』のパロディ」。コレクションにはしばしば、3ブランドの最近のスマッシュヒットや永遠の定番を、彼らなりにアレンジした商品が登場してユニークだった。
まず「プラダ」っぽいのは、前述した、ポップにアレンジした小紋柄を多用した伝統的なセットアップ。これは、2019-20年秋冬の「プラダ」のコレクションに通じるテイストだ。「バーバリー プロ—サム」風なのは、そんなセットアップの上から豪快に羽織ったダウンコートやブルゾンなど。クリストファー・ベイリーが近年心血を注ぐ、雨&風を防ぐハイカラー(大きな襟)を加え、「バーバリー プロ—サム」のシルエットを手に入れている。そして、「トム ブラウン」風なのは、ダブルの6つボタンのジャケット。力強いショルダーラインながら、身幅にはゆとりがあり、そして丈は短いというシルエットは、トム・ブラウンの得意技だ。